ガル離婚相談室尾行なんて簡単でしょ?
- 尾行なんて簡単でしょ?
- 商店街からタクシー
- デパートの喫茶店
- ウィンドウショッピング
- デパートを出てタクシー
- ラブホテル街に降りる
- 黄色信号でタクシー足止め
- タクシーを降りた女性
- 女性のパチンコ
- パチンコ店から電車へ
- 最寄り駅から自転車
- マンションに入る女性
- ようやく自宅を特定
尾行なんて簡単でしょ?
「尾行調査なんて簡単でしょ? だって尾いていけば良いだけなんだから。」
なんてことを言う依頼人がいらっしゃいますが実は簡単ではありません。
とある男性の浮気調査の目的は
「仕事を終えて、会社から出た対象者を尾行」
「対象者と接触する女性を確認し女性の住所地を判明させる。」
調査としてはごくシンプルな部類です。
この調査の経緯を見てみましょう。
商店街からタクシー
●対象者の動き
会社を出た対象者は徒歩で歩き出し人通りの多い商店街を歩いた後、大通りに出て通りかかったタクシーを捕まえて走り出しました。
●調査員の視点
いきなり大ピンチ。
当然タクシー対策に車両は用意しているが商店街を通られては車両がついていくことはできない。
そこを通り抜けていきなりタクシーを拾われたのでは調査車両はどうしたって出遅れる。
運良くタクシーが無ければ徒歩調査員は走るしかないので調査員は全力疾走する。
幸い道路は混雑中。なんとか走って追いつくことができる。
とはいえ10分以上に及ぶ全力疾走。
根性で勝負!
デパートの喫茶店
●対象者の動き
タクシーを降りた対象者は、とあるデパートの中に入っていき店内の喫茶店へ入りました。
その店の中で浮気相手の女性と合流。
2人は楽しそうに話をしています。
●調査員の視点
なんとかタクシーをおりるところまで追いかけることができた調査員。
対象者が喫茶店に入るのを確認後、全力疾走の荒い呼吸を何とか静め何食わぬ顔で喫茶店に入る。
喫茶店の外で待っていたのでは店内の様子がわからない。
今回のケースのように喫茶店内で女性と合流した場合は店内の様子を観察する必要がある。
うまく2人の近くに座ることができたら会話の断片を盗み聞くこともできるかもしれない。
ウィンドウショッピング
●対象者の動き
喫茶店を出た2人はデパートの店内を歩き回ってウインドウショッピングを楽しみます。
●調査員の視点
今回のケースは男性が一緒なのでマシだがデパートでウインドウショッピングをする女性対象者は尾行しにくいものだ。
ただでさえ陳列された商品が視界を塞ぎ「フロア全部が交差点」のような構造なのだ。
一寸目を離すだけで見失ってしまいかねない。
その上、対象者はあれこれ考えながら歩き回るのでいきなり行動が変わる。
「あっちの方にいい品物がありそう」(急に方向転換)
「やっぱり、さっき見た品物の方がいいかな?」(突然Uターン)
「あ、これ、なんだか良さそう」(いきなり立ち止まる)
そして女性対象者の場合「下着売り場コーナー」に入ってしまう場合もある。
こうなると男性調査員は張り込みしずらい。
下手をすれば通報される。
デパートを出てタクシー
●対象者の動き
ひとしきり店内を歩き回った2人はデパートを出てタクシーを拾いました。
●調査員の視点
再びピンチ。
大型デパートの場合、出入り口が幾つもありどの出口から出れるかなど予測しきれるものではない。
先ほどの「商店街を通り抜けた場合」と同じく調査車両は出遅れる。
調査員走る!走る!
ラブホテル街に降りる
●対象者の動き
二人はラブホテル街の近くでタクシーをおります。
何か話しながらホテル街を歩き回りますが結局ホテルに入るのはやめにした様子。
再びタクシーを拾って走り出しました。
●調査員の視点
がっかりする調査員。
ラブホテルに入ってくれれば確実な浮気の証拠になったのに。
しかしがっかりしている暇は無い。
またしてもタクシー。再び、全力疾走する調査員。
今度はすぐにタクシーを捕まえることができた。
タクシーでタクシーを追跡する。
黄色信号でタクシー足止め
●対象者の動き
2人の乗ったタクシーは黄色信号を加速して突っ走りなおも走り続けます。
●調査員の視点
対象者のタクシーは黄色信号を通り抜けてしまったが調査員のタクシーは止まってしまった。
調査員「なんで止まるんだ! 行け!」
運転手「無茶言わないでくださいよ、お客さん。赤信号ですよ」
調査員「いいから行けってんだ、畜生!」
タクシーを使っての尾行の場合当たり前にあるので恐ろしい。
調査員が運転する車両なら多少の無茶はするのだがタクシー運転手は何の関係も無い職業ドライバーだ。
交通ルールを無視する運転はしない。
こうなると怒鳴ったり喚こうものなら捕まるかもしれません。
仕方ないので調査員はタクシーを降りて再び全力疾走!
タクシーを降りた女性
●対象者の動き
駅前にやってきたタクシーは女性だけを降ろしました。
女性は手を振ってタクシーを見送ります。
●調査員の視点
ここまで追いかけてきた調査員はほっと一安心。
今回の調査の目的は「接触した女性の住所を確認すること」タクシーに乗り続けている対象者は今日は放っておいていい。
駅前でタクシーを降りた女性は徒歩で帰宅の途につくだろう。
ゴールまであと少し。
女性のパチンコ
●対象者の動き
男性と別れた女性は駅には向かわずすぐ近くのパチンコ屋に入りました。
店内でタバコをふかしながらパチンコを打っています。
●調査員の視点
調査員、またがっかり。
男性と別れた女性の挙動が豹変するのはよくある。
この女性の場合、男性と会っている時にはタバコなど吸わなかったのに今は咥えタバコで眉間にしわを寄せながらパチンコを打っている。
こういうケースは男性側が年配の金持ちだった場合などによく見られる。
所詮、金目当てのつきあい。
「あ~まったく。ジジイの相手は疲れるわね~。純情ぶりっこなんていつまでもやってらんないわよ。」
といったところだろうか。
こういう女性の姿を確認しておくことも大切。
後に依頼者にとって重要な情報となりえる。
パチンコ店から電車へ
●対象者の動き
パチンコ屋を出た女性は駅へ向かい電車に乗りました。
●調査員の視点
女性は約4時間パチンコを打っていた。
時刻はもう十分に遅くなっている。
ここからあちこち立ち寄ることはなさそうだ。
調査員はほっとしながらも気を抜かずに追跡を続行する。
最寄り駅から自転車
●対象者の動き
最寄り駅で電車から降りた女性は駅前に停めていた自転車に乗って走り出し踏み切りを渡って帰宅の途へ向かう。
●調査員の視点
再び大ピンチ!
自転車は車両と違って交通量の少ない交差点なら平気で信号無視をする。
狭い道幅でもスッと走ってゆく。
ほぼノンストップで移動を続けるのだ。
実は車両よりも追いかけにくい交通手段だ。
ここまで走りぬいてきた調査員に自転車を走って追いかけるほどの体力は残っていない。
しかし、その目の前に遮断機の下りた踏み切りが立ち塞がった。
女性が通り抜けた後、電車がやってきてしまったのだ。
調査員は遮断機をくぐり抜けて踏み切り内に突入する。
後ろで「きゃーーっ!」という女性の悲鳴。飛び込み自殺と思ったのだ。
ふと顔を上げると、目の前に電車!
鳴り響く警笛。凄まじいブレーキ音。
調査員の脳裏に、これまでの人生が走馬灯のように甦る。
マンションに入る女性
●対象者の動き
自転車に乗った女性は静かな夜の住宅街をゆうゆう走っていきます。
下り坂を走りおりた女性は坂の途中にあるマンションに入っていきました。
●調査員の視点
対象者がマンションに住んでいた場合、調査員は一刻も早く対象者と一緒にマンションに入らなければならない。
先にエレベーターに乗って上に行かれたらそれまでだ。
対象者が何号室に住んでいるかを確認できなくなってしまう。
途中でつまづいて派手に転倒するが痛がっていられない。
すぐに立ち上がって女性の入ったマンションに向かってダッシュする。
ようやく自宅を特定
なんとかタイミングをはずさずにマンションに入ることができた調査員。
何食わぬ顔で共にエレベーターに同乗。
無事女性の住所を突き止めることができた。
いかがでしょう?
対象者の動きはごく普通ですが追いかける調査員の視点側では大変です。
何気なく普通の動きをしている人間を尾行するだけでも、これだけの労力を使っているのです。
調査員達の苦労を少しはわかっていただけたでしょうか?
※注意:実際は、タクシーで交通違反の強要や怒鳴ると捕まる可能性が高く、踏切に立ち入って電車が止まれば損害賠償請求ものです。
マンションに一緒に入るのは不審がられたりオートロックなどで避けることも多々あります。
これだけの状況なら本来は追いつけずやり直しをしている。