ガル離婚相談室浮気現場は勤務先
浮気現場は勤務先
「対象者(男性)はラブホテルの管理人で浮気の現場は自分のホテルである」
多少でも探偵術の心得がある者が聞いたら「う~ん」と唸りながら腕組みしてしまいそうなシチュエーションである。
浮気調査の場合、対象者がラブホテルに入るという状況は、通常探偵側の調査成功を意味する。
「ラブホテルに入る」=「共に入る女性との肉体関係」を意味するからだ。
「不貞行為の証明」となり得る。
しかしこの場合「ラブホテルに入っただろう」と問い詰めても「職場なんだから当たり前だ」と言われておしまいである
なんの変哲も無い日常へと置き換えられてしまうのだ。
仮にそこが浮気現場だとして女性が訪ねてきたとしても「職場に女友達が遊びに来た」という程度の意味になる。
ただ幸運だったのは対象者が婿養子だったことだ。
そして、対象者の勤務するラブホテルのオーナーは、依頼者である奥さんのお父さんだった。
ラブホテル側が探偵を全面的にバックアップしてくれるのだ。
これほど心強いことはない。
それでも浮気現場のホテル内の対象者の行動を簡単には把握出来ない。
調査員はコツコツと調査をはじめる。
行動調査で対象者の動きをつぶさに観察。
そのホテルに一人で訪れる女性をチェックしつづけ浮気相手を特定。
女性の行動や訪問時刻を統計し逢引の時間帯を限定。
女性調査員も動員して浮気現場のホテル内の様子を可能な限り観察。
いつも浮気に使う対象者の「お気に入りの部屋」も特定。
地道な調査を続けにじり寄るように情報を収集していった。
十分に準備を整えたある日。
ある作戦を決行することになる。
本来であればここまでするのはどうかと思うしやりたくてやったわけではない。
しかし、ラブホテルが職場で「浮気などしていない!」とシラを切り続ける対象者から確実な証拠を得るためには、これしかなかった。
対象者が浮気相手と浮気現場であるホテルの一室に入った後オーナーからカギを預かった調査員はタイミングを見計らって浮気現場であるその部屋に踏み込んだのだ。
一緒に部屋に入るのは依頼者の奥さんとその父と母、対象者の身内が一名。
調査員2名を含む総勢6人が浮気現場の部屋に入り込んだとき対象者と愛人はまさに行為の真っ最中だった。
ホテルの一室は阿鼻叫喚の地獄絵図となった。
- キレて泣き叫ぶ依頼者
- 全裸で逆ギレする対象者
- 悲鳴をあげる愛人
- 怒号を上げる父
- わめき散らす母
- おろおろする対象者の身内